CO固定量測定


1.はじめに

 現在、深刻化している地球温暖化現象を改善するため、大気中の温室効果ガス(主にCO)の濃度を安定化させることが重要とされている。また、京都議定書では、温室効果ガスを1990 年比で2008 年~2012 年に一定数値(日本6%、米7%、EU8%)の削減を各国に義務付けることが取り決められた。この京都議定書において、森林などが有するCO 固定能力は高く評価され、CO 排出量の算定に際しては森林や植生再生によるCO 固定量を参入することとされている。1)

 これらの経緯を踏まえ、本実験では、建築構造物の壁面緑化用資材として開発した「壁面緑化陶板“GIF-T”(ギフト)」に植生しているスナゴケのCO 固定量を試算化することを目的とし、実施した。

2.実験場所・実施者

 東京農業大学・都市緑化技術研究室

3.実験方法

 試験体を表-1 に示す条件で生育させ、実験前・後の乾燥重量を測定しCO の固定量の試算を行った。

表-1 試験体生育条件
条件 場所 平均気温 平均湿度 N数 実験期間
室内 15.3℃ 34.5% 6 80 日間:2006年12月12日
~2007年3月2日
室内 19.1℃ 28.6% 6

4.実験・試算結果

 実験及び試算結果を、表-2 に示す。
 また、CO の固定量の試算においては、一般的に植物体に含まれる炭素(C)は、ほぼ全てが大気中のCOに由来し、様々な植物種に係わらずその乾燥重量の50%程度がC含有量であるとされている2)ことから本実験では、求めたC含有量の値にCO とCの分子量の比44/12(3.66)を乗じることによってCO 固定量の算出を行った。

表-2 実験・試算結果 GIF-T 一枚あたりのCO 固定量(平均値・80 日間) (単位:g)
項目記号 [a] [b] [c] [d] [e]
条件 全乾燥重量 植栽部
乾燥重量
[a]-①
C含有量
[b]×50%
CO
[c]×44/12
CO 固定量
[d]-②
477.9 16.9 8.4 31.0 10.5
480.5 19.4 9.7 35.6 15.1
実験前 472.2 11.2 5.6 ② 20.5
植栽無し品 ① 461.0

5.考 察

 表-2 の試算結果より、条件Aの試験体では、GIF-T 一枚あたり10.5g、条件Bの試験体ではGIF-T 一枚あたり15.1gのCO 固定量が試算結果として得られた。試算結果が少なく出た条件Aと街路樹で良く使用されている“ケヤキ”とのCO 固定量を比較すると以下のようになった。
 尚、今回の試算に用いたGIF-T のCO 固定量は、室内環境における80 日間のものであることから、通常GIF-T が設置される屋外での年間を通してのGIF-T のCO 固定量は、この数値より上回ることが期待される。

ケヤキのCO 固定量 ケヤキと同量のCO 固定量となる
GIF-T 枚数
樹高7.0m 胸高直径20.4cmの場合

28.1~34.5kg

約2700~3300 枚
(約43~53 ㎡ )

 ※ケヤキのCO 固定量の算出は、参考文献2)の手法により行った。

引用参考文献

1)財団法人都市緑化技術開発機構(1998):都市緑化技術-特集、緑とCO-:SUMMER、第30 号、14-25 2)藤原宣夫、山岸裕、村上重仁(2002):都市緑化樹木によるCO 固定量の算定方法に関する研究:日本緑化工学会誌: 第28 巻、第1 号、26-31

印刷用データ(PDF形式)

『CO固定量測定(PDF)-131KB』  2007年7月25日 近江窯業作成

「ご利用者別壁面緑化ガイド 行政ご担当様」へ戻る

壁面緑化陶板トップへ戻る

ページの先頭