ホルムアルデヒド除去性能

1.実験目的

 壁面緑化陶板“GIF-T”(ギフト)を室内に設置した場合に、揮発性有機化合物質(VOC)である“ホルムアルデヒド”の除去性能を確認する。

2.実験場所・実施者

 東京農業大学・都市緑化技術研究室

3.実験概要

 試験装置を写真-1に示す。試験体には、壁面緑化陶板GIF-T(225×74×24)のスナゴケの植栽有り、無しの2種類で実施した。
 試験方法は、アクリル製のチャンバー(500×500×700mm)内に試験体とホルムアルデヒドを入れて密閉し、測定時間毎によるホルムアルデヒド濃度の変化を計測した。
 スナゴケによるホルムアルデヒドの除去濃度は、空チャンバー内のホルムアルデヒド濃度の変化を基準とし、試験体2種のチャンバー内のホルムアルデヒド濃度を比べ、求めた。
 ホルムアルデヒドの濃度は高濃度として2ppmを、低濃度として0.2ppmを設定して行った。
 実験は2006年10月から2007年1月にかけて温度22.5±0.9℃、湿度24.4±7.8%の実験室で、透明なアクリル製の密閉型の約175Lのチャンバーの中に各試験体を4ピースずつ入れて行った。光源としてはチャンバー内に蛍光灯(TOSHIBA、15W、白色FL15W)を取り付けられるようにした。この蛍光灯の光量子量は11.54μmol/㎡/sであった。タイル及びタイル+スナゴケは室内の日が当たるところに置き、室温18℃~28℃の室内環境で養生し、実験に供するようにした。また、タイル+スナゴケに関しては実験に用いる2日前に灌水してから利用した。

写真-1 実験装置

4.ホルムアルデヒド濃度測定方法

 ホルムアルデヒドの濃度測定方法は、まず、空のチャンバー内に試験体を4ピースずつ置き、高濃度の場合は1.2μL(2ppm)、低濃度の場合は0.12μL(0.2ppm)のホルマリン(36%水溶液)を写真-2に示すマイクロピペット(PIPETMAN、GILSON社製)で採取し、キムワイプに滴下してホルムアルデヒドがチャンバー内に充満するようにした。
 ホルムアルデヒドの濃度は写真-3、4に示す検知管(No.91L、No.91LL)及びホルムアルデメータ(formaldemeter400htV、JMS社製、測定限界0.01ppm、測定精度±10%)を用いて、高濃度の場合は1時間毎に5時間、低濃度の場合は30分毎に8時間連続で測定した。
 また、検知管を利用してホルムアルデヒドの濃度を測定する場合は写真-4に示す気体採取器(GV-100SD、ガステック社製)を使用し、検知管の色の変化によって濃度を読み取った。
全ての実験は3反復で行い、ホルムアルデヒド濃度の㎎/m3単位から㎎への換算は、試験体、蛍光灯の体積を考慮し、計算した。
 また、吸引孔から外部の空気やチャンバー内の揮発性物質が流入、流出しないような措置も施した。実験及び試算結果を、表-2 に示す。

写真-2 マイクロピペット

写真-3 ホルムアルデヒド測定用検知管

写真-4 ホルムアルデメーター

写真-5 気体採取器

5.ホルムアルデヒドの除去量算定方法

 表-1にホルムアルデヒドの除去量の算定式を示す。
 ホルムアルデヒドの除去量(㎎)は、空チャンバー内のホルムアルデヒドの量(平均値)を基準とし、各試験体の実験終了後のチャンバー内のホルムアルデヒドの量(平均値)を引き、算出した。

表-1 ホルムアルデヒドの除去量の算定
   R = E ― D
      R:除去量(mg)
      E:空チャンバー内のホルムアルデヒドの量(mg)
      D:各々の実験区のホルムアルデヒドの量(mg)

6.実験結果及び考察

6.1 高濃度(2ppm)でのホルムアルデヒド除去量

 図-1に各試験体のホルムアルデヒド濃度の変化を示す。
 GIF-T植栽無しでは、徐々にホルムアルデヒドの濃度が増加したが、実験開始から2時間後には2.3±0.2㎎/m3の値を示し、空チャンバーより低い値を示した。
 GIF-T植栽有りでは、実験開始1時間後にピーク値を示したが、徐々に濃度が減少し、実験終了の5時間後には0.4±0.1㎎/m3の濃度を示し、空チャンバーより約85.2%程度ホルムアルデヒド濃度が著しく低下し、GIF-T植栽有りにおいては、ホルムアルデヒドの除去可能性が解った。
 また、ホルムアルデヒドの除去量を示した図-2では、GIF-T植栽無しでの除去量は0.06±0.0㎎だが、GIF-T植栽有りの除去量は0.49±0.0㎎で、スナゴケを植栽することによって植栽無しの場合より、ホルムアルデヒドの除去量が8.2倍程度増加する結果になった。

図-1 高濃度時(2ppm)の
ホルムアルデヒドの濃度変化

図-2 高濃度時(2ppm)の
ホルムアルデヒドの除去量

6.2 低濃度(0.2ppm)でのホルムアルデヒド除去量

 GIF-T植栽無しでは、実験開始30分後から空チャンバー内の濃度より、ホルムアルデヒド濃度が高く示されたが、実験終了後には0.3±0.1㎎/m3の濃度を示し、ホルムアルデヒドの除去はほとんどなかった。GIF-T植栽有りでは、実験開始から1時間後にピーク値を示したが、徐々に濃度は減り、実験終了の8時間後には0.1±0.0㎎/m3のホルムアルデヒド濃度を示し、空チャンバー内の濃度と比べ、約66.7%程度ホルムアルデヒド濃度が低下した。
 また、ホルムアルデヒドの除去量を示した図-4でも、タイル+スナゴケによる実験区では0.04±0.0㎎のホルムアルデヒドが除去され、GIF-T(植栽断熱発泡タイル)によるホルムアルデヒドの除去可能性が見られた。

図-3 低濃度時(0.2ppm)の
ホルムアルデヒドの濃度変化

図-4 低濃度時(2ppm)の
ホルムアルデヒドの除去量

7.結論

 室内のホルムアルデヒド濃度を2ppm、0.2ppmと想定して実験を行ったところ、GIF-T植栽無しでは、ほとんどホルムアルデヒドの除去性能は見られなかったが、GIF-T植栽有りではホルムアルデヒド濃度は約85.2%、66.7%の濃度低下が見られた。
 よって、GIF-Tに植栽されたスナゴケにより、室内の揮発性有機化合物質(VOC)であるホルムアルデヒドを除去する効果が確認でき、今後、室内へのGIF-T設置により、快適な室内の空気環境を提供できるものと期待できる。

印刷用データ(PDF形式)

『ホルムアルデヒト除去性能(PDF)-261KB』  2007年7月25日 近江窯業作成

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